インタビュアー
N高等学校・S高等学校の必修項目をVR端末で学習できる教材を制作及び開発をしているチームにインタビューをしていきますが、プロジェクトとして何を目指していくのでしょうか。
齊藤
バーチャル学習は普通科生向けに提供しているもの。目指しているのはVRのコアユーザーではない、それこそ初めてデバイスを使う高校生が、能動的にバーチャル学習を受け効率よく学習できる未来を目指しています。
インタビュアー
なるほど。新しい体験を作っていく上でデザイナーはどんな業務をしているのですか?
井口
バーチャル学習の企画・ユーザー体験設計からプロジェクトへ参加しています。平面の教材を単純に立体にするだけでは意味がないと考えていて、VR空間を利用することで学習が深まるものは何かという視点でコンテンツ企画をしています。コンテンツ案がきまったらVRのエンジニアさんと組んでデザインを具現化していく業務をしています。
インタビュアー
井口さんはもともとWebやアプリのUIデザイナーをされていたと伺っています。普段平面のデザインをされている中で3Dの難しさはどういったところにありますでしょうか?
井口
基本のVRデザインの学習をしながらですし、立体的な座標を普段扱ってないので、苦労しました。例えば文字サイズですね。距離に応じてサイズ調整をするというのは空間ならではでしたね。また、押せるボタンの位置も、どこにあるのが一番押しやすいのかを常に試しながら制作していきました。
インタビュアー
学習コストは相当かかったように思えます。納期の中で新しいものを学習しながらデザインをしていくのは大変だったのではないでしょうか。
井口
プロジェクトが開始される前からVRには興味があり、個人的に様々なVRコンテンツをプレイしたり体験していました。ドワンゴのことだからいつか、事業になるだろうなと思いながらですね(笑)。教育系のコンテンツがVRで提供されていたら必ずチェックはしていたし、バーチャルマーケットなどのイベントなどには足を運んでいました。趣味を通して学習はしていたんです。

インタビュアー
趣味が高じて仕事になっているわけですね。最高の職場環境ですね。エンジニアとしても初めての領域だったと伺っていますが、フロントエンジニアではどんな仕事をされていたのでしょうか。
吉田
バーチャルキャスト社で開発されているアプリケーションとドワンゴで開発を進めているZEN Studyの連携をしてます。チームとしてもアプリケーションの連携が初だったり、しかもそれが他社のものだったりするので、大きな挑戦でした。
インタビュアー
それは大変ですね。どのような領域を何名のチームでやってきたのでしょうか。またVRならではの大変さもあったのではないでしょうか。
吉田
Android、iOS、PCWebを10名程度の人数で開発してきました。VRのデバイスに対応しなくてはならない中で、アプリケーションを動かしたときの想定が難しかったですね。デザイナーや企画に細かく仕様を書いてもらいながらプロジェクトを進めていきました。
インタビュアー
ありがとうございます。チームとしてかなり綿密に連携されていたようですね。バックエンドエンジニアはどうでしょうか?様々な要望がある中でプライオリティーコントロールや要件の精査はどのようなフローで行っていくのでしょうか。
長野
バックエンドのチームにて要望を要件に落とし込み、工数を割り出していきます。プライオリティについてはプロジェクトマネージャーや予算を管理している部長と相談して、精査をしていますね。
インタビュアー
ありがとうございます。かなり大がかりなプロジェクトでありながら、リリースまでの期間は短かったようですね。プロジェクトチーム以外から、開発したVR対応教材のフィードバックはどのように反映されていたのでしょうか。

齊藤
N高等学校・S高等学校のスタッフの方へ体験会を実施し、フィードバックをもらっています。また、手前味噌になってしまいますが、スタッフの方々から授業を通して学びやすいものができているとお言葉をいただていますね。未来の授業のあり方をこのプロジェクトを通してつくれていると実感しています。
インタビュアー
私も拝見しましたが、新しい体験でワクワクしました。現状でも新しい学びの体験は実現できていると思いますが、今後何を目指していくのでしょうか。
佐藤
初年度は必修授業をVRを通じて受講しながら、VR特有の教材を提供することを目標に開発しました。それにより授業の中でたくさんのに触れてもらえる機会は創出できたと考えています。一方で、現状では単発的な体験になってしまうので、1年通してバーチャル学習をした結果、どんな体験を享受できるのか意識してコンテンツ企画を進めていきたいと考えています。
インタビュアー
連続的な体験によって得られるものってどんなものなんでしょうか?
佐藤
学校を構成する要素は沢山あり、生徒によって学校で興味があることは違うと考えています。学習に興味があり授業を楽しみにしている生徒もいれば、友達と話すこと、部活が好きな生徒がいたりもします。授業だけでなく、そういった生徒が学校に求めているものをVRを通して実現していきたいです。そういった学校体験を重ねることで充実した学園生活を送ることができると考えています。
インタビュアー
なるほど、教材に限らずVR体験ができるというわけですね。
佐藤
既存の教材をVRに置き換えることが必ずしも良い体験になるとは限りません。教材をデジタル化するだけであればタブレットとタブレットペンで十分。VRでやったほうがとっつきやすい、学習意欲が高まる、学園生活が楽しいものになる、そういった視点で開発していきたいと考えています。
インタビュアー
VRで友達と会話できる未来とかワクワクしますね。様々な挑戦をしているプロジェクトですが、入社した場合どのようなチームサポートをうけられるのか、またキャリア視点でのメリットを教えて下さい。
吉田
勉強会をチームごとに定期的に開いてる他、書籍を買ったり、様々なトピックを通して話しています。また基本はリモートワークなので、1on1を定期的に開催することでメンバーのメンタルケアや課題の洗い出しをしています。
長野
N高等学校・S高等学校は日本最大の通信制高校になっていますし、まだまだ規模は大きくなっています。そこで最先端の学習をつくれているのは自信にもなるし、キャリア的にも大きなステップになると思います。ぜひご応募お待ちしています。
