ネットを活用した最強の勉強法 化学の勉強法 講師 節田 佑介

ネットを活用した最強の勉強法 化学の勉強法 講師 節田 佑介

化学は知識と解法。知識の定義をしっかりと理解し、答えが出る解法ではなく、最も速く再現性の高い解法を選んで解答していくことが肝要。頭を固くしないで、自分のできる方法だけに固執しないで、頭を柔らかく理系らしい科学的な思考を育てよう。

目次

  1. 01化学が苦手な受験生のための勉強法
  2. 02高みを目指す受験生のための勉強法
  3. 03N予備校アプリを利用した勉強法

文系・理系を問わず、化学を学習する高校生は多いと思います。まず、高1、高2で「化学基礎」を1年かけて学習し、理系を志望する高校生は次の1年で「化学」を学習するというのが一般的な流れになると思います。

化学の「最強の勉強法」ですが、まずは、「理系」の「受験生」が、1年間かけて「化学」を学習し、目標を達成する(目標を達成するのに十分な力を鍛える)ことからお話ししたいと思います。

化学は学習時間を多く必要とする科目なので、中学校の理科、高校での授業など、化学について学習した時間が長い人ほど、目標達成までの時間が短くなります。反対に言えば、もし、これまでの勉強時間0から学習をスタートするという受験生でも、基準となる勉強時間をクリアーすれば、他の受験生に追いつくことが可能だということです。初めはなかなか点数が取れない、できるようにならないと悩むかもしれませんが、ちょうどコップに注いだ水が溢れるような感覚で点数が取れるようになります。まずはコップに水がたまるまではじっくり我慢しなければなりません。その我慢に必要な時間は、おおよそ「1年間」だと私は思っています。端的に言えば、高校3年生(浪人生)の4月から学習を始めたとして、結果が出るのが翌年の4月、あれ、これでは大丈夫じゃないですね。共通テストは1月半ば、私大入試が2月、国公立大の入試が2月末~3月初めです。つまり、化学の学習において最もありがちなのが、学習目標の達成が受験期までに間に合わなかった…という残念な結果です。そのような結果を避けて目標を達成するために必要なこととして、最も良いのが、高校2年生のうちから受験への意識をもって学習を開始すること。次が、4月からの学習を他の受験生よりも多く時間をかけて一生懸命やること。この2つに限られます。他の受験生より高い点数を取ることで合格するのが受験なので、化学はどうしても他の受験生よりも多くの学習時間を必要とします。自分の達成目標から逆算して、いつから学習を開始するのか、日々どのくらいの学習時間を必要とするのか、まずはしっかりと確認し目標に向かって学習を始めましょう。

「受験生」のための学習法ですが、2つのレベルに分けて解説しようと思います。概ね、共通テスト模試で70点未満の受験生は「まだ化学が苦手な受験生」だと思ってください。共通テスト模試で80点を超えているような受験生は、かなり化学が得意だと思ってよいと思います。

01

化学が苦手な受験生のための勉強法

01-A理論

<4月~夏>
化学が苦手な受験生が越えなければならない1つ目の大きな壁は、自分で問題の答えを計算して出せるようになることです。正解・不正解を問わず、まずは自分で解答を導けるようになることが最も大事です。

そのための学習に必要なのが、「最も良い解法」を知ることです。もちろん、標準的な解法でも良いのですが、私が推奨する解法は、「一番わかりやすい解法、一番短時間で解ける解法、一番解きやすい解法」です。この解法を自分で探し出していくことも非常に重要な学習ですが、それだとあまりに膨大な学習時間を必要とします。そのために、N予備校の生授業と問題集を利用して、私の解法をマスターしてもらいたいと思っています。そして、まずはひたすら問題を解くことを繰り返してください。白紙のノートに、何も見ずに、私と同じ解法を辿れるようになれば、受験生としての一歩をきちんと踏み出しています。次に、「セミナー化学」や「リードα」のような教科書傍用の問題集の簡単な問題を自分で解いてみることです。そこで、私が推奨している解法によって、自分で問題を解くことができるようになっていれば、もう化学が苦手な受験生ではなくなっています。ここで、私が推奨している解法とは違った解法で答えを導いた場合はどうしましょうか。大事なことは、どちらの解法の方が「わかりやすい解法」なのか、そして「短時間で解答できる解法」なのか、ということです。受験勉強は、入試への準備期間です。入試本番で最大の結果を出すための準備です。ですから、最後の本番で結果を出すために、自分の解法をより良いものに修正していくような学習をすることが重要です。反対に、「セミナー化学」などの問題を自分の力ではどうしても解けなかったという場合はどうしましょうか。この場合は、より簡単な問題集を解いてみてください。どのような問題集が簡単か難しいかですが、基本的にはより薄い問題集ほど基本問題しか扱っていないので、簡単な問題集であると言えます。必ず、自分で解ける問題を解いていかなければなりません。答えを見て「あ~そうなのか」と思うのが、最も効果のない学習法です。

入試で頻出の重要問題の良い解法については、N予備校の問題集の他に、拙著ではありますが、「医学部の化学理論編」も役に立つと思います。繰り返しになりますが、より良い解法を学び、繰り返し、自分でその解法を使って答えを導けるようになること、これが、化学が苦手な受験生のための最強の勉強法です。

<秋~受験直前>
自分で問題を解けるようになったら、より入試問題に近い問題を演習するとよいと思います。基本的にはセミナー化学、N予備校の問題集で十分です。これらを何度も繰り返し学習してください。その後に、志望大学の過去問集を解いてみるとよいでしょう。科目によって異なりますが、化学では過去問は試験の1か月前から始めるので十分です。ですから、国公立大志望の受験生であれば、12月中は共通テストの演習、共通テストが終わってから志望大学の過去問演習という順番になります。私大志望の受験生は12月に入ってから、志望大学の過去問をいろいろ解いてみるとよいでしょう。

01-B無機

まずは、一年間かけて覚えなければならない無機化学の基本知識をまとめることが重要です。図表などを利用してもよいですが、参考書や図表を見たり読んだりするだけでなく、自分で授業ノートやまとめプリントを作成し、「これさえ見れば、無機は大丈夫!」というものをつくっていきましょう。これは、市販のものよりは、自分でオリジナルのものをつくった方が覚えやすく、愛着もわくと思います。このとき特に大事なことは、最初は「最低限、一番大事なポイントだけ」をまとめることです。初めから分厚い参考書を全部覚えることはできないので、まずは「基本のもの」をつくり、「基本のもの」をしっかりと覚えましょう。

まとめノートは、秋以降、新しい知識を付け足していけるような、「余白」の多いものを最初につくっておくことが重要です。過去問演習などで「知らない知識」などができたら、それを書き足していき、どんどん知識量を増やしていくのが理想的な学習法になります。

01-C有機

有機化学も、無機化学と同様に、最初にある程度の知識を覚えることが必要になります。大事なことから順番に覚えていくことが重要です。

  • ① 有機化合物の命名(IUPAC)法の基本
  • ② 有機化合物の名称と構造式
  • ③ 有機化合物の合成経路の反応の種類
  • ④ 有機化合物合成の化学反応式


まずは、夏までに、ここまでをしっかりと覚えましょう。これは教科書やN予備校の参考書を利用するとよいと思います。教科書に載っている内容をしっかりと覚えておくことが重要です。

夏以降は、天然高分子化合物・合成高分子化合物の名称と構造式、そして用途を覚えていくことになります。化学の入試では高分子化合物についての出題も多いので、教科書の最後までをしっかりと学習しておくことが重要です。一般的な入試では、「これは何ですか」という程度の問題がほとんどなので、教科書レベルの内容をしっかりと最後まで学習しておくだけで十分です。

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