ネットを活用した最強の勉強法 英文読解の勉強法 講師 中久喜 匠太郎

ネットを活用した最強の勉強法 英文読解の勉強法 講師 中久喜 匠太郎

こんにちは、英文読解講師の中久喜です。ここではN予備校で学習を進めるにあたってぜひ取りいれてもらいたい英文読解学習のさまざまな方法を紹介します。

まず最初に、受講コースや志望大学によって必要となる学習方法は異なるので、チーム分けをします。

  • ● ベーシックコースを中心に学習する人→チームB
  • ● スタンダードコースを中心に学習して、二次で英語を利用する国公立大志望の人→チームSI
  • ● スタンダードコースを中心に学習して、二次で英語を利用しない国公立大・私立大志望の人→チームSII
  • ● ハイレベルコースを中心に学習して、二次で英語を利用する国公立大志望の人→チームHI
  • ● ハイレベルコースを中心に学習して、二次で英語を利用しない国公立大・私立大志望の人→チームHII



これから様々な学習法を紹介するにあたり、各項目の横にチーム名を表記しています。自分のチーム名が表記されている項目をしっかり読んでください。

01

英文読解全般に関する学習法

01-A三つの「読」-① 精読

BSISIIHIHII

英文読解力を高めるための訓練として大切なものが3つあります。①「精読」②「復読」③「音読」です。

「精読」は読んで字のごとし。精密に、精確に読む力をつけましょう。これは主に僕の授業の中で行っていきます。ご期待ください。

「復読」は同じ英文を何回も読むこと。この「反復」は読解力向上にも語彙力増強にもとても大切なことです。「音読」は英文を口に出して読むこと。近年音読の重要性が強調されていますが、その目的と効果をしっかり理解した上で取り組みましょう。この2つについては項をあらためて説明します。

01-B三つの「読」-② 復読

BSISIIHIHII

「文法は復習が大切、読解は予習が大切」なんていうとんでもない都市伝説が世間にははびこっています。読解だって復習も大切ですよ!復習時に必ず行ってほしいのが「復読」です。

授業で扱った文をもう一度読むのが復読ですが、大切なのは「いつ読むか」です。授業の直後に読み直して理解度を確認するのも大切です。が、多くの学習者がこの「一回限りの復読」で終わってしまっているのです。「復」の意味は「一回」ではなく「反復」です。数日あけて読み直し、また数日あけて読み直す、というふうに、しつこく何度も読みなおしましょう。こうして間をあけて繰り返して読むことによって文法理解や単語の知識がどんどん定着していきます。

01-C三つの「読」-③ 音読

SISIIHIHII

授業で僕が行うことは簡単に言えば「意識化」です。英文のしくみ、英文を読む時のアタマの動かし方を言葉にしてあなたに伝え、あなたに英文の構造を意識してもらえるように解説します。

しかし、皆さんが実際に英文を読む時に常に意識して、読む過程を言葉にしていたら時間がかかって仕方がありませんね。つまり、意識して理解したことを無意識にできるようにしなければならないのです。この「無意識化」は英文を読むスピードを上げるために極めて重要なことです。そのための訓練の一つが「音読」です。

音読とは言うまでもなく、英文を口から発しながら語順通りに読み進める作業です。口から発することによってそれまで目と頭でしか理解していなかった英文が音としてもとらえられるようになり、単語や文構造の理解が深まります。

そして、もう一つのポイント「語順通り」であることが大切なのです。構造や内容をしっかり理解した英文を音読することで、その英文を左から右へ語順通り内容をつかんでいく訓練ができます。国公立大志望の人などはどうしても和訳が英語学習の中心になってしまいがちです。もちろん和訳も大切な勉強なのですが、和訳に傾きすぎてしまうと、文頭の大文字から文末のピリオドまでを一つの単位として意味を解釈する習慣が無意識についてしまいます。

しかし実際にそのように一文を一単位として意味を解釈しなければいけないのは下線和訳が問われた時だけで、それ以外の文についてはそのような作業は必要ありません。文頭から語順どおりに、意味のカタマリごとに解釈していけばいいのです。このような読みを習得するには先述したとおり、(ちょっと不思議な言葉ですが)英文の構造を無意識に意識できるようにならなければいけません。そのための訓練の一つが音読なのです。

以上のポイントをふまえて、以下のように音読の訓練を行いましょう。

  • ・復習時に行う。予習時に行っても効果は低い。
  • ・その文の単語、文構造、内容などが全てわかった後に行う。
  • ・単文であっても長文であっても構わないが、あまりに構造が複雑な文や難解な文は避けたほうがよい。
  • ・読む際には句・節の切れ目や意味のまとまりを意識して読み進める。
  • ・発音は気にする必要はない。大切なのは美しい発音ではなく、英文を前から読み進めて内容を理解することである。

01-D精読学習と長文学習は並行しましょう

BSISIIHIHII

「先生、長文はいつから始めればいいですか?」という質問に答えます。今始めてください。「精読力が完成してから長文を始める」のではなく「精読力を磨きながらそれと並行して長文にも慣れていく」のです。ただし、精読力に自信がない時期は易し目の長文を読むこと。自分にとって標準的かやや易しいと感じられる長文に毎日触れましょう。

01-E授業のサイクルは「6ページノート」でつくろう

BSISII

「授業の予習」「授業中のメモ」「授業後の復習」を「6ページノート」にまとめる習慣をつけてみましょう。見開きの左側のページから始めます。つまり見開きの左右2ページで一つの「予習」「メモ」「復習」の欄となります。ポイントをまとめます。

「予習」ページ
  • ・予習をしていて疑問に思った文、問題などを書き出し、「何が疑問なのか」を自分なりに明確にしておく。
  • ・上限は見開きの2ページ。この2ページを超えてはならない。2ページで収まらなさそうな時は必要なものを自分で選んでまとめる。
  • ・無理に2ページ全てを埋める必要はない。
  • ・予習を忘れた時は2ページまるごとあけておくこと。自分の怠慢で2ページ分の紙を無駄にしたことを後悔してください(笑)

「授業メモ」ページ
  • ・あくまでもメモとして利用する。N予備校の授業は繰り返しアーカイブ視聴できるので、授業中にノートをとる必要はない。ノートをとるよりも授業を聞くことに集中すること。
    その中で自分が欲しかった情報、気になった内容、大切な話をしていた時間(例:58分30秒あたり)などをメモする。
  • ・きれいに書こうとしてはいけない。自分が読める字で書けばよい。ノートを左上から使う必要もない。

「復習」ページ
  • ・授業中にとったメモ、スクリーンショットなどを整理する。
  • ・自分にとって必要な内容だけを整理する。授業で扱った全てをまとめるのはNG。
  • ・上限は見開きの2ページ。無理に全てを埋める必要はない。
  • ・最後に一言「感想」を書く。感想には「できなかったこと、わからなかったこと」ではなく「できるようになったこと、わかったこと」を書く

01-F学習計画の立て方

BSISIIHIHII

さて質問です。以下に二つの学習計画表があります。失敗するのはどちらでしょうか?

おわかりですか。失敗する、それもすさまじい失敗をする学習計画表は「計画表1」です。
問題点を指摘しましょう。

  • ・時間の分け方が細かすぎる。このように「〇時~×時は関係代名詞」と決めてしまうと、その決められた時間の間だけ関係代名詞と向き合うことが目標になってしまい、関係代名詞をマスターすることが目標ではなくなってしまう。
  • ・26日に一気に数学を学ぶ予定になっているが、3時間を超えてぶっ通しで勉強を続けるのは効率が悪い。最長でも2時間程度で小休止をはさむ必要はある。(逆に、2時間くらいは集中力が続かなければいけないとも言える。共通テストだって80分続くのだから。)
  • ・26日に英語を学習する時間がない。英語は「週に3日、大量に学ぶ」ではなく「毎日少しずつ学ぶ」スタイルを続けてください。
  • ・時間の分け方が厳密すぎる上に学習項目に重要度の分類がないので、突然の予定変更などで計画していた学習時間が確保できない場合、どの勉強を優先して行えばいいかの判断ができない。


とまあ悪いことだらけです(笑) 真面目な人、計画を立てるのが好きな人ほどこういう計画表を作ってしまうのだけど、悪いことは言いません、やめましょう。学習計画作りの一番大切なポイントは「予定通りに進むわけなんかない」「適度に不真面目に」です。

それでは計画表2を見ていきましょう。これが僕がおすすめする学習計画の作り方です。

  • ・日付の下の数字はその日の目標学習時間。横の( )の中には実際に確保できた学習時間を一日の終わりに書き入れる。
  • ・「〇時~×時…不定詞」というふうに、学習項目を時間を決めて割り振るのは絶対にNG。
    目標とする不定詞の理解度に達するまではいつまでも不定詞の学習を続けること。
  • ・学習項目は重要度に応じてランク分けする。Aは「何があってもやる」Bは「ここまではやる」Cは「時間があったらやる」といった具合に。そして大切なのが、学習を行う時は「Bまでできればいいや」というスタンスでいること。つまり、Cは無理にやらなくてもよい。25日ならば記述模試の復習よりも不定詞の完全理解を優先すること。
  • ・示した計画表には掲載されていないが、毎週必ず一日は「予定なし」の日を作ること。(模試などが入りイレギュラーになることが多い日曜日が望ましい。)この「予定なし」の日に、過去6日間でできなかった学習項目をこなせばよい。


いかがですか。こうして適度に逃げ道を残した計画を立てましょう。

01-G予習と復習、どっちが大事なの?

BSISIIHIHII

チームBは復習を重視してください。特に、英語が苦手である、嫌いであるという人は予習はしなくても構いません。わからないものはいくら考えてもわからないし、無理に自分で読もう、解こう、とすることによってあなたの中にある「英語に関する誤解」を強めてしまうことになります。授業で正しい考え方、読み方を学んでから復習時にそれを実践してみてください。

チームSI、SIIは予習3、復習7の割合を意識してください。チームHI、HIIは逆に予習7、復習3です。

01-H速読の訓練

HIHII

速読の訓練をいくつか紹介しましょう。

① リスニング

意外かもしれませんが、リスニングは読解スピードを上げる大切な訓練です。だってリスニング時は英文を前から、しかも読まれるスピードに合わせて理解しなければいけませんよね。ということは、リスニングで内容が理解できれば読む時も前から読んで理解できるはずですよね。ぜひ日々の訓練に取り入れてください。

② タテ読みでアイスパン(eye span)を広げよう。

タイトルだけ見ても何が何やらわかりませんよね。具体的に説明します。用意するのは完全に理解ができた英文(単文より100語程度以上の長文が望ましい)のテキストデータとPCまたはスマホです。まず一日目。その英文を句・節単位で細かく改行しましょう。

例えば、One scientist has warned that while public attention is concentrated on symbolic animals such as pandas or elephants, many other species are sliding into extinction. という英文ならば…

One scientist
has warned that
while public attention is concentrated
on symbolic animals
such as pandas or elephants,
many other species
are sliding
into extinction.

といった程度に改行し、これを上から読んでいきます。

  • One scientist「一人の科学者は」
  • has warned that「警告している」
  • while public attention is concentrated「一般的な関心が集中している一方で」
  • on symbolic animals「象徴的な動物に」
  • such as pandas or elephants,「例えばパンダやゾウのような」
  • many other species「他の多くの種が」
  • are sliding「移りつつある」
  • into extinction.「絶滅に向かって」
  • One scientist
    「一人の科学者は」
  • has warned that
    「警告している」
  • while public attention is concentrated
    「一般的な関心が集中している一方で」
  • on symbolic animals
    「象徴的な動物に」
  • such as pandas or elephants,
    「例えばパンダやゾウのような」
  • many other species
    「他の多くの種が」
  • are sliding
    「移りつつある」
  • into extinction.
    「絶滅に向かって」

ポイントは

  • ・各段は左→右に一息で読み切る
  • ・上の段には戻らない


わかりますね。英文を左から右に意味のカタマリごとに読み進める作業を強制的に行わせるのです。これを他の文についても行います。

そして次の日は、改行するポイントを前日より広げます。

One scientist has warned that
while public attention is concentrated on symbolic animals
such as pandas or elephants,
many other species are sliding into extinction.

これを前日と同様に上から読みます。このようにしてeye span、つまり「自分が一つのカタマリとして認識できる範囲」を少しずつ広げていくのです。翌日はさらに広げ、最後には一つの文のまま語順通りに読めるようになるのが理想ですね。

01-I雑読のすすめ

SISIIHIHII

N予備校の長文読解問題集はあなたに少しでも英語を好きになってもらえるようにと、読んでいて楽しい、面白い長文を満載しました。

しかし!実際に入試で出題されるのは愉快な文ばかりではありません。堅苦しい自然科学の文だったり自分がまるで興味のない哲学の文だったり暑苦しい人生論だったり(笑) というわけで、N予備校の教材だけでなく、普段から様々なタイプの文に触れるようにしましょう。市販の長文問題集を用いて練習するのももちろん大切だけど、入試問題ではないナマの英文にもどんどん触れてもらいたいです。TIME、NEWSWEEK、NEWTONなどは最新の話題に英語で触れられるのでとても楽しいですよ。ちょっと難しいけどHarvard Business Reviewは経済系のエッセイが満載です。

それ以外には、和書を英語化したものもいいですね。映画の洋書もいいですよ。ハリーポッターシリーズは高校2年~3年レベルの英語力で無難に読み進められます。どちらにしても大切なのは、和書ならそれを先に日本語で読んでから、映画ならそれを先に見てから英語本にとりかかることです。こうやって、ストーリーを先に頭に入れてから英語に入ることでぐっと読みやすくなりますよ。「そんなのワシのプライドが許さん!」というツワモノはもちろんいきなり英語にとりかかってもかまいませんよ(笑)。

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